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夕刻の静と動の港に着いた

2015年09月05日

相田一彦は フェリーに乗ってる間 ほとんど眠っていたらしい
「もったいない事をした??」浅く悔やみつつ 島に上陸した。。
港周りは 所謂 港町の様相を呈していたが
何処か{他所者}を寄せ付けない温度を感じる。
それは 先入観から来てる感覚も大ではあったが、本来(島)とは
そういうものなのだ。 
観光地と呼ばれる島であっても その内部は大差無い。。

「遠い処??お疲れになったでしょう ようこそおいで下さいました」
予約しておいた(民宿 ゆりや)の主人自ら ワンボックスカーで迎えに来てくれていた。
客は 相田の他5人。  意外な多さであった。
明らかに ワケありなカップル。釣りに来たであろう年配の男が二人。
そして もう一人は こんな島でなくとも ふと惹かれる空気を纏った女性であった。

車内で隣同志になり 軽い会釈をしつつ お互い無言なまま
南国の風景???を眺めていたら

「貴方もチャレンジャーですか?」
と 不意にその女性が話しかけてきた。  
思いがけない言葉であったが 言わんとする意味が解るようで
相田は 可笑しかった。
「そうですね まぁ 足掻いてみようと思って??」相田は答えた。
「足掻く?」
「ええ そんな感じです」
「???で 旅ですか?貴方も(何も無い島)に誘われたクチ^^?」
「ハハハ 自分は他人とは 視点が違うぞ??なんて つまらない自分への口実がないと 中々動けないんですよ」
「あー それ解ります」??奈保は 何処か弾むような口調になっていた。
「あっ 明日の話聞いてます? 気球の話。。」
「気球????あぁ??」
宿の予約をする時に 役場の観光課のイベントで 気球に乗って
島を見渡す??みたいな事を話していた事を思い出した。
「俺は高い所は駄目だから 乗りませんよ」
 幾分 自嘲気味に相田が答えた。。
「あら ここまで来て チャレンジャーに ならないんですか?」
女性は悪戯っぽい目で相田に笑いかけた。

「私 川嶋っていいます 一緒に乗りましょ?」



Posted by D10催情剤 at 15:41